

人間の身体の中には、約20種類ものアミノ酸があります。筋肉をはじめ、骨、血液、腱、
毛髪などを形成しするだけではなく、ヒト成長ホルモン(HGH)の分泌を高める効果があります。
若返りホルモンと呼ばれるHGHは、年齢と共に分泌量が少なくなっていきます。
HGHが欠乏すると、筋肉量の低下や体脂肪の増加、皮膚の弾力やつやが失われる
といった老化現象が現れます。
HGH(ヒト成長ホルモン)の基礎知識 HGHと老化はどんな関係にあるか?
| そもそもHGHって何? |
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年齢を重ねるという現実からは誰も逃れられないけれど、老化は避けることができる…この「老化を避ける」うえで重要な役割を果たすことになるのが、HGHです。 HGHというのはヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone)のことで、私たちの脳の下垂体前葉というところで生産され、分泌されます。思春期から青年期にかけてが生産のピークで、その後は徐々に分泌量が減少していきます。 HGHの本来の役割は成長促進作用ですが、私たちの身体で生産されるすべてのホルモンのなかでもっともパワフルで、中心的なものといわれています。他のホルモンの生産と分泌を促し、それぞれのホルモンレベルを最適に保つように働きかけます。 1963年にスウェーデンの医薬品メーカーが遺伝子工学を応用して、世界で初めてHGHの合成に成功しました。これ以後、HGHはヒト成長ホルモン剤として医療分野で広く使用されるようになり、とくに成長期になっても身長が伸びない人たちの病気治目的に大きな成果を上げてきました。 |
| ある研究がHGHの効果を決定づけた |
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このHGHが老化を防ぐことに効果があるのではないかと、世界の医療関係者に注目されるようになったのは1990年のことです。この年、アメリカで発行されている医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に、ウィスコンシン医科大学のダニエル・ラドマン博士はつぎのような内容の注目すべき研究論文を発表しました。 それによると、61から81歳までの男性12人にHGHを6カ月間投与したところ、平均して体重が8.8%増えました。その増加分には脂肪が含まれていないばかりか、脂肪は14%も減っていました。しかも、
この結果は、HGHというホルモンが人の老化過程で当然生じるさまざまな肉体的変化を抑えること、それによって老化という現実から逃れられること、そして若返りすらも可能であることを教えるものでした。 |
| HGHが減少すると老化が始まる |
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ラドマン博士の研究から明らかになったのは、HGHの生産のピークがとっくに過ぎた年齢であっても、それを投与することで老化の進行を抑えられるということでした。逆にいえば、HGHが減少すると老化が始まるということにほかなりません。 事実、すべての動物において年齢とともに体内のHGHレベルが低下していくことが明らかにされています。たとえば人間では、30代を過ぎるとHGHの量は10年ごとにほぼ14%ずつ落ちていき、60歳になると1日に生産される量は20代の時に比べて半減します。さらに、65歳頃には2人に1人の割合でHGHの生産と分泌はほとんど見られないか、あるいはまったくない状態になってしまいます。 HGHが減少するとどうなるのでしょうか。いろいろな研究ではっきりとしていることは、皮膚の弾力が失われ、肌はたるみやシワが増えるようになり、お腹の周りには脂肪がつきやすくなります(いわゆる太鼓腹的な状態です)。また、いろいろな点で無気力な場面が多くなるなど、一般的にいわれる老化現象が目立つようになります。つまり、HGHの減少そのものが老化という現実を生む直接的な原因のひとつだったのでした。 |
| HGHを補充するとどうなる?HGHのレベルを高めてみたら… |
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HGHが老化と深い関係があるとするならば、低下したHGHレベルを上げるために補充してすれば<老化を防いだり、その進行を抑えることができるのではないか、という考え方が生まれてきます。 そこで先に紹介したラドマン博士の論文が発表されて以後、世界中の多くの医師や研究者たちが、HGHの補充についての研究を進めました。具体的には体内のHGHレベルを高めて、身体に起こる<変化について調べたのです。 すると、次のような効果をもたらすことが明らかになりました。以下に主なものを列挙してみましょう。 体脂肪の減少、筋肉質の増加、日常生活における活力の向上、気分の高揚、認識能力の改善、免疫機能の回復、骨の強化、コレステロールと血圧の低下、キズなどの早期治癒、皮膚の強化と肌のなめらかさの回復、毛髪の再生、視力の回復…まで、さまざまな効果が見られました。 |
| HGHを補充せずにレベルアップする方法 |
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ところで補充という方法をとることなく、体内のHGHレベルをアップする方法はないのでしょうか。 実は40〜50代の中高年層の人たちの多くは、HGHを補充しなくても運動と食事療法を組み合わせたり、必要な栄養素をサプリメント(栄養補助食品)から摂取することによって体内のHGH放出を促し、そのレベルを高めることができます。たとえば、エアロビクスやジョギングなどの運動を行うと、通常のHGHレベルを1.5〜2.5倍ほど上昇することがわかっています。さらに、ダンベルなどを利用した集中的なウエイト・トレーニングではレベルが3〜5倍まで高くなります。 食事は糖分やデンプンを避け、脂肪分が少なくてタンパク質の多い食品をとるようにしましょう。そうすると運動効果はさらに高まり、HGHの放出もスムーズに行われます。ただし、肥満はHGHの放出を妨げとなりますので、標準体重がオーバー気味の人はまず減量を心がけてください。HGHの放出をスムーズにする栄養素については、あとでくわしくご紹介します。 |
| HGHならではのさまざまな効果/熟年世代にうれしい効果 |
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HGHの効果や働きについて、もう少し具体的に述べてみましょう。たとえば、こういうデータがあります(ウィスコンシン医科大学L.C.テリー教授が1996年12月に報告)。 39歳から74歳までの男女900人にHGHを投与した結果、コレステロール値と中性脂肪(トリグリセリド)が著しく低下しました。これらは脳硬塞や心筋梗塞を引き起こしやすい動脈硬化の原因となるものです。また、80%の人は筋肉量が増えただけでなく、その強度と持久力の向上が認められ、74%の人は体脂肪が減少したと報告されました。 このほか、記憶力の改善(64%、病気に対する抵抗力の増大(73%)、情緒の安定(67%)、生活に対する積極的な態度を実感(80%)、性的な能力の向上と性生活の頻度の増加(76%)などの結果を得ています。いずれの場合も深刻な副作用は見られませんでした。 これらの効果は、とくに熟年世代といわれる人々にはとっては見過ごすことのできないものといえそうです。 |
| HGHが免疫システムも若返らせてしまう |
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私たちの身体を病気から守るシステムに免疫機能があります。病原菌や毒素が侵入した時に体内にある抗体が異物を攻撃し、無害にしてしまう機能ですが、思春期の頃にその働きが頂点に達します。 この免疫機能の改善にもHGHが働きかけることがわかっています。体内に新しい抗体をつくって抵抗力を高めるほか、感染症を防ぐT細胞やガンと戦うインターロイキンの生成量の増加、同じく抗ガン作用のあるナチュラルキラー細胞の活性増大、赤血球や白血球の増殖などが主なものです。つまり、免疫システムそのものを若い頃のレベルに戻してくれるわけです。 HGHが免疫システムを若返らせるということは、私たちの寿命を伸ばすことにもつながるような期待を抱かせます。まだ研究段階ですが、すでに動物実験では平均寿命がのびることが確認されていることだけをお伝えしておきましょう。 |
| HGHは性的能力の改善にも役立つ |
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先のデータにもある通り、HGHは性的な能力の改善にも関わっています。 普通、HGHレベルが下がるにしたがって、男性の性的な能力もまた低下していくとされていますが、高齢者362人を対象としたHGH投与の臨床試験の結果、75%の人が性的能力を回復し、性交渉の回数が増えたといい、62%の人は持続時間が長くなったと報告されています。また、抗老化目的でHGHを使用した人たち(男女)のほぼ全員が性欲の高まりと性的な機能の改善を認めました。 こうした話題は興味本位に流れがちですが、人生において充実した性生活を送ることは大切な要素のひとつです。そして、性的能力の回復はHGHの効果としてきわめてありふれたことなのです。 |